過重労働解消相談ダイヤル
厚生労働省では、過労死等を防止することの重要性についての関心と理解を深めるため、11月を「過労死等防止啓発月間」と定めて、過重労働が行われている事業場などへの重点監督や、ベストプラクティス企業への職場訪問(のちにWEBサイトで事例紹介)、過重労働解消のためのセミナーを開催するなどの「過重労働解消キャンペーン」を実施しています。
そのキャンペーンのひとつに、一般から労働に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」があり、去る10月27日に実施された相談ダイヤルの結果が12月3日に公表されました。
「過重労働解消相談ダイヤル」は毎年実施されていますが、令和元年の相談件数は269件でした。ちなみに、平成30年は501件でしたので、前年に比べて相談件数は減少しています。
相談の内容は、「長時間労働・過重労働」に関するものが90件(33.4%)、「賃金不払残業」が69件(25.6%)、「休日・休暇」が31件(11.5%)、「パワーハラスメント」が29件(10.7%)となっています。
今年は、働き方改革法で年次有給休暇に関する改正が行われた影響からか、例年、上位には含まれない「休日・休暇」に関する相談が3番目に多く寄せられたようです。
相談は、労働者本人からのものが最も多いですが、約2割は家族から寄せられています。なお、家族からの相談は、例年一定割合(2~3割程度)を占めています。
具体的な相談事例をみると、厳しい内容の相談が寄せられていることがわかります。
なお、労働基準関係法令上、問題があると認められるものについては、相談者の希望を確認した上で労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなど必要な対応を行っているとされています。
相談事例
長時間労働・過重労働
賃金不払残業
ハラスメント
執筆陣紹介
■岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)
食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー、退職金制度構築支援等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「企業再編・組織再編実践入門」(共著/日本実業出版社)、「まるわかり労務コンプライアンス」(共著/労務行政)他。
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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。
2019-12-25
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